MotoGPRACE REPORTS
第20戦バレンシアGP
2022年11月6日(日)
サーキット・リカルド・トルモ
気温:27℃、路面:ドライ・32℃、湿度:18%
リンス、有終の美。バニャイヤが新チャンピオン。

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RACE REPORT
最終戦となった第20戦バレンシアGPは、予選5番手から好スタートを切ったA・リンス(スズキ)が、27ラップのレースで一度も首位を譲らず、今季2勝目を達成した。素晴らしい集中力を発揮し、PPスタートのJ・マルティン(ドゥカティ)、7番手から終盤素晴らしい追い上げを見せたB・ビンダー(KTM)の追撃を振り切った。
地元ファンの前でスズキのラストランを勝利に導いたリンスは、アメージング(驚き、素晴らしいといった意味)という言葉を連発。「スズキの最後のレースを、これ以上ない形で締めくくることができた。優勝できたことを誇りに思う。この数年間、スズキと一緒にたくさんのことを学んできた。これからは人生の新たなスタートを切るが、みんなに感謝している。とてもうれしい」とコメント。今年5月にスズキはMotoGPからの撤退を発表。1960年にスタートしたスズキのレースの歴史に幕を閉じるラストランを最高の形で締めくくった。
2位にビンダー(KTM)、3位にマルティン(ドゥカティ)と続き、逆転チャンピオンに闘志を燃やした予選4番手からスタートのF・クアルタラロ(ヤマハ)が4位に終わった。逆転のシナリオはクアルタラロが優勝して、タイトル王手のF・バニャイアが15位以下というもの。「今回は勝利を目指すだけ」とスタートからゴールまで全力を尽くしたが、27℃の最高気温がクアルタラロを苦しめた。「思ったよりも気温が高くなり、左側のグリップに苦しんだ。スタートからゴールまで100%の力を出したが、表彰台や優勝を狙うには十分ではなかった。チャンピオンを獲得したペコ(バニャイア)におめでとうと言いたい」と新チャンピオンの誕生を祝福した。
M・オリベイラ(KTM)が5位。2020年スズキでタイトルを獲得したJ・ミル(スズキ)が6位。以下、L・マリーニ(ドゥカティ)、E・バスティアニーニ(ドゥカティ)と続き、総合2位のクアルタラロに23点差をつけて最終戦に挑んだバニャイアが9位でフィニッシュ。タイトルを獲得した。
念願のタイトルを獲得したバニャイアは、「素晴らしい仕事を成し遂げた。第10戦ドイツGPを終えたときにファビオと91ポイント差だったが、追い上げることが出来た。今日はファビオとの接触でマシンのウィングを失い、そこからかなり苦しんだが、この結果を誇りに思う。シーズンを通してライバルだったファビオを祝福したい。ファビオのように尊敬するライダーの前でチャンピオンを獲得できたことが何よりもうれしい」とディフェンディングチャンピオンとの一騎打ちを制し、満面の笑みだった。ドゥカティとしては07年のC・ストーナー以来、2人目のチャンピオン誕生。コンストラクターズ、チームタイトルと初の3冠制覇となった。
10位にF・モルビデリ(ヤマハ)。右手の怪我から4戦ぶりに復帰した中上貴晶(ホンダ)が14位だった。ホンダ勢トップでフィニッシュした中上は、「ポイントを獲得できて良かった。今日は24番手からのスタートだったので厳しいレースだったが、10ポジション上げることができた。順位としては満足できるものではないが、シーズン最後のレースを完走できたのでうれしい。チームはすばらしい仕事をしてくれた。チームのすべてのメンバーに感謝している。すぐに来年のテストが始まる。楽しみにしている」とコメント。バレンシアの公式テストに向けて気持ちを切り替えていた。
今大会は、24台が出場、17台完走という厳しいレースとなり、3戦連続フロントローの2番手から好スタートを切り、3番手を走行していたM・マルケス(ホンダ)は3位争いを繰り広げながら転倒。Repsol Hondaで最後のレースとなったP・エスパルガロ(ホンダ)も転倒リタイアだった。
RACE RESULT
Po. | Rider/Team/Machine | Time | Support |
---|---|---|---|
1 |
#42 アレックス・リンス Team SUZUKI ECSTAR / Suzuki GSX-RR |
41'22.25 | |
2 |
#33 ブラッド・ビンダー Red Bull KTM Factory Racing / KTM RC16 |
+0.396 | |
3 |
#89 ホルヘ・マルティン Prima Pramac Racing / Ducati Desmosedici GP22 |
+1.059 | |
4 |
#20 ファビオ・クアルタラロ Monster Energy Yamaha MotoGP / Yamaha YZR-M1 |
+1.911 | |
5 |
#88 ミゲル・オリベイラ Red Bull KTM Factory Racing / KTM RC16 |
+7.122 | |
6 |
#36 ジョアン・ミル Team SUZUKI ECSTAR / Suzuki GSX-RR |
+7.735 | |
7 |
#10 ルカ・マリーニ Mooney VR46 Racing Team / Ducati Desmosedici GP21 |
+8.524 | |
8 |
#23 エネア・バスティアニーニ GRESINI Racing MotoGP / Ducati Desmosedici GP21 |
+12.038 | |
9 |
#63 フランチェスコ・バニャイア Ducati Lenovo Team / Ducati Desmosedici GP22 |
+14.441 | |
10 |
#21 フランコ・モルビデリ Monster Energy Yamaha MotoGP / Yamaha YZR-M1 |
+14.676 |
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