MotoGPRACE REPORTS

第18戦オーストラリアGP

2022年10月16日(日)

フィリップアイランド・グランプリ・サーキット
気温:14℃、路面:ドライ・35℃、湿度:61%

リンス、2年ぶりの優勝。バニャイア、ランキングトップ。

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RACE REPORT

 3年ぶりに開催された第18戦オーストラリアGPは、今季もっともスリリングな戦いとなり、上位7位までのタイム差が0.884秒と、史上2番目にタイムが接近したレースだった。そのし烈な戦いを制したのは予選10番手から好スタートを切ったA・リンス(スズキ)。終盤、予選2番手のM・マルケス(ホンダ)、予選3番手のF・バニャイアとの手に汗を握る戦いを制した。

 

 2年ぶり4勝目を挙げたリンスは、「今日はタイヤに厳しい戦いになると思っていたのでタイヤを温存するためにペースを抑えた。それはみんな一緒だったが、今日はバイクのフィーリングが最高に良かったし、終盤、リアタイヤのパフォーマンスを活かすことが出来た。とにかく優勝したかったし、スズキにとって最後のオーストラリアGPで優勝することが出来てうれしい。この優勝はこのプロジェクトに関わったすべての人のもの。本当に言葉がない」と満面の笑みだった。今年5月にMotoGPからの撤退が決まったスズキ。なんとしてもスズキに優勝をプレゼントしたいと意気込んだリンスの思いが通じるレースだった。

 

 そのリンスと最終ラップの最終コーナーまでバトルを繰り広げたマルケスも右腕上腕の再手術を終えて4戦目の表彰台獲得を心から喜んだ。「今日はすばらしいレースだった。とても楽しいバトルだった。表彰台に戻ることが出来て最高の気分。今日はリアにソフトを選んだが正しい選択だった。フィーリングはとてもよく、最後まで戦うことができた」。昨年10月のエミリア=ロマーニャGPで優勝して以来、最高峰クラス100回目の表彰台獲得だった。

 

 3位にはバニャイア、終盤までレースをリードしたが、リンスとマルケスとのし烈なバトルを後ろで見ることになった。「今日の3位には満足している。もっとも大事なことはチャンピオンシップでトップに立てたこと。今日はフロントが苦しかったし、ファビオが転倒したことをサインボードで知ってからは、リスクを避けてスムースな走りに切り替えた。勝てなくて悔しいが今日はベストを尽くした」と終盤の接戦で3位に後退も納得の表情。表彰台に立った3人のタイムは、わずか0.224秒だった。

 

 4位にM・ベッツェッキ(ドゥカティ)でルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得。E・バスティアーニ(ドゥカティ)、L・マリーニ(ドゥカティ)、J・マルティン(ドゥカティ)と続き、ここまでがトップから0.884秒差。8位のJ・ザルコ(ドゥカティ)、9位のA・エスパルガロ(アプリリア)、10位のB・ビンダー(KTM)まで5.940秒差という激戦となり、3年ぶりの大会開催を待ち望んでいたファンは、し烈なバトルに大声援を送っていた。

 

 11位にP・エスパルガロ(ホンダ)。12位にM・オリベイラ(KTM)。そして13位にはC・クラッチローでヤマハ勢トップでゴールした。「スタート直後の1コーナーではらんでしまい、ほぼ最高尾にポジションを落としてしまった。それからは追い上げたが、終盤はタイヤの消耗に苦しんだ。でも、レース中のタイムは良かったし満足している」とアラゴンGPから4戦に出場し3回目のポイント獲得となった。

 

 総合首位で予選5番手から決勝に挑んだF・クアルタラロ(ヤマハ)は序盤の4周目、ジャック・ミラー・コーナーでブレーキングに失敗してオーバーラン。22番手までポジションを落とし、その後、15番手まで追い上げたが、11周目に転倒を喫しリタイアに終わった。「今日は風の影響で4コーナーで苦労して2度もミスをしてしまった。それから何人か抜いたが、プッシュしすぎて2コーナーで転んでしまった。残念な結果だったが、残り2戦、素晴らしいレースができると信じている。モチベーションを高めてマレーシアに向かう」。これでバニャイアを14点差で追う立場になった。タイトル争いはいよいよ大詰めを迎えた。

 

 右手負傷で欠場している中上貴晶(ホンダ)の代役として2戦目の出場となった長島哲太は19位だった。

RACE RESULT

Po. Rider/Team/Machine Time Support
1

#42 アレックス・リンス

Team SUZUKI ECSTAR / Suzuki GSX-RR

40’50.6540  
2

#93 マルク・マルケス

Repsol Honda Team / Honda RC213V

+0.186  
3

#63 フランチェスコ・バニャイア

Ducati Lenovo Team / Ducati Desmosedici GP22

+0.224  
4

#72 マルコ・ベッツェッキ

Mooney VR46 Racing Team / Ducati Desmosedici GP21

+0.534  
5

#23 エネア・バスティアーニ

GRESINI Racing MotoGP / Ducati Desmosedici GP22

+0.557  
6

#10 ルカ・マリーニ

Mooney VR46 Racing Team / Ducati Desmosedici GP21

+0.688  
7

#89 ホルヘ・マルティン

Prima Pramac Racing / Ducati Desmosedici GP22

+0.884  
8

#5 ヨハン・ザルコ

Prima Pramac Racing / Ducati Desmosedici GP22

+3.141  
9

#41 アレイシ・エスパルガロ

Aprilia Racing / APRILIA RS-GP

+4.548  
10

#33 ブラッド・ビンダー

Red Bull KTM Factory Racing / KTM RC16

+5.940  

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