MotoGP_{RACE REPORTS}

　第5戦フランスGPは、転倒者の多い激しいレースとなり、M・ベゼッキ（ドゥカティ）が優勝。2位にJ・マルティン（ドゥカティ）、ホームGPを迎えたJ・ザルコ（ドゥカティ）が3位という結果だった。以下、A・フェルナンデス（KTM）、A・エスパルガロ（アプリリア）、B・ビンダー（KTM）と続き、ホームGP制覇に闘志を燃やしたF・クアルタラロ（ヤマハ）は7位だった。

　今年もホームGP制覇を達成できなかったクアルタラロは、今回も悪い流れを止めることが出来なかった。「今日は7位と言っても、前を走るライダーが6人転倒した結果なので、自力で達成したリザルトではなかった。今日は体調も完全ではなく、午前中に腕の治療をしてもらったが、決勝では腕上がりの状態になってしまった。本来はもっともっと速く走れたはずなので残念」前日のスプリントではフロントのフィーリングが完全ではなく転倒を喫した。決勝レースも、腕上がりに加え、いくつかのコーナーでは、ブレーキングが完全ではなく厳しい走りを強いられた。

　8位にF・ジャンアントニオ（ドゥカティ）、9位に中上貴晶（ホンダ）と続いた。中上は今大会も予選14位と厳しいグリッドからのスタートとなり、序盤はブレーキングに苦戦して15番手までポジションを落とす。その後、転倒者が続出しポジションを上げたが9位がやっとだった。「今大会の目標はトップ10に入ることだった。9位になれたので目標は達成出来たが、転倒者が多くポジションを上げられただけ。内容は決して良くなかった。とにかく、ミスやクラッシュを避けるために、走ることに集中しなければならなかった。今日は最後まで攻めの走りができず残念だった」と厳しい表情だった。

　10位にはF・モルビデリ（ヤマハ）。モルビデリも17番手というグリッドからの厳しい戦いを強いられた。前日のスプリントでは、「スタートは良くてポジションを上げたが、そこからなかなか前に出られなかった」と13位。決勝レースでは、混戦の中でフロントタイヤの内圧があがりすぎてペースを上げることができなかった。

　開幕戦ポルトガルGPで肩を負傷し、欠場しているＥ・バスティアニーニの代役として出場したＤ・ペトルッチ（ドゥカティ）が11位でフィニッシュした。ペトルッチがドゥカティのMotoGPマシンで走るのは2年ぶり。「金曜日にバイクに乗ってすぐにペースを上げるのは難しかったが、素晴らしいチームにとても助けられた。今大会に出場できたことは夢のようだった。自分の人生の大きな1ページになった」と、古巣のドゥカティワークスに抜擢され、代役の役目をしっかりこなした。

　今大会は21台が出場して完走13台という厳しいレースとなり、今季2回目のPPから「スプリント」で3位になったF・バニャイヤ（ドゥカティ）は、決勝レース序盤で、M・ビニャーレス（アプリリア）と接触して転倒リタイア。総合首位をキープしたバニャイヤは、「今日は優勝するチャンスもあっただけに残念」厳しい表情だった。

　また、開幕戦ポルトガルGPで怪我をして4戦ぶりに復帰のＭ・マルケス（ホンダ）は、予選2番手から「スプリント」で5位。決勝レースでは表彰台争いに加わり転倒リタイア。ラスト2周の転倒で表彰台を逃したが、マルケスらしい熱い走りに大きな拍手が送られた。「転倒リタイアという残念な結果だったが、やっと自分の走りが出来たのですごくうれしい。今日は限界までプッシュすることが出来た。転倒したのは7コーナーだが、6コーナーの立ち上がりで大きく振られ、完ぺきなライン取りができかった。リタイアに終わったが、集まった大勢のファンに素晴らしいレースを見てもらえたと思う」と完全復帰に向けて大きなステップを刻み、リタイアという結果も、大きな手応えに明るい表情だった。