SUPER GTRACE REPORTS

第4戦FUJI GT

2023年 8月5日(土) ~ 6日(日)

富士スピードウェイ(450kmレース)

難戦を制したのは#3 Niterra MOTUL Z。ニッサン勢が凱歌をあげる結果に。

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RACE REPORT

 沖縄・九州近海を迷走する台風6号の影響もあってか、不安定な天候が予想されていた8月5~6日の「FUJI GT 450km RACE」は、やはり突然の雨に大きく影響を受けることとなったが、その難戦を制したのは#3 Niterra MOTUL Z。GT300でも11号車GT-Rが勝ち、終わってみれば両クラスでニッサン勢が凱歌をあげる結果となった。

 

 まさに酷暑の中で迎えた土曜の公式予選は、まず午後3時20分にGT300のQ1A組から行われ、ここでは11号車GT-R、87号車ランボルギーニGT3、そして50号車レクサスLC GT3がトップ3を占めると、続くQ1B組では、4号車メルセデスGT3、61号車BRZ、96号車RC F GT3が上位に入る。

 午後3時53分に始まったGT500のQ1では、#16 ARTA MUGEN NSX-GTが僅差で#24 リアライズコーポレーション ADVAN Zを抑えて暫定ポールを獲得。#8 ARTA MUGEN NSX-GTが3番手となり、#100 STANLEY NSX-GTが4番手に。ウエイトや燃料リストリクターの影響で苦戦を強いられたレクサス勢では、立川祐路が今季限りでの引退を発表した38号車GRスープラが、唯一Q2に駒を進めることとなった。

 

 そしてGT300のQ2は午後4時13分のスタート。10分間のこのセッションでは中盤から各車精力的にアタックを行ったが、その結果早めに1分36秒395を叩き出した4号車メルセデスGT3が2017年以来という久々のポールポジションを獲得。2番手には61号車BRZ、3番手には31号車レクサスLCが続いたが、予選後の再車検で31号車レクサスLCは異なるサーキットの燃料を使用したため車両違反となり、全タイムが抹消に。代わって11号車GT-Rが3番手に繰り上がることとなった。

 午後4時31分開始となったGT500のQ2。好調のホンダ勢が5台すべて進出する中、1分27秒763をマークした#24 リアライズコーポレーション ADVAN Zが、予選後に車両違反のためPPを奪われた、前戦の雪辱を果たすポールポジションをゲット。#16 ARTA MUGEN NSX-GT、#8 ARTA MUGEN NSX-GTが2~3番手につけた。

 

 土曜に続き、日曜の昼にも予定された室屋義秀のデモフライトは、多くの観客が楽しみにしていたものの、朝のFIA-F4の決勝終了後あたりから降り出し、時に激しさを増した雨によってキャンセルに。しかし、この雨も午後0時15分からの決勝前ウォームアップのころには上がっており、このままドライに転じるかと思われた矢先、スタート進行の途中で再び雨が降り始めるなど、トリッキーなコンディションの中、100周の決勝は午後1時45分にセーフティーカー先導によりスタートを迎えた。

 

 3周目にセーフティーカーがコースを離れると、いきなり2番手に浮上したのは予選4番手からスタートの#3 Niterra MOTUL Z。ダンプコンディションにベストマッチであったミシュランを履く#3 Niterra MOTUL Zは、4周目には早くも首位の#24 リアライズコーポレーション ADVAN Zを捕らえてトップに立つ。

 早々に5秒以上のマージンを稼いだ#3 Niterra MOTUL Zだったが、路面はどんどん乾いていくこととなり、上位陣も早めにピットに入る車両が続出。11周目に#24 リアライズコーポレーション ADVAN Zがドライに履き替えたほか、トップの#3 Niterra MOTUL Zも15周目にはドライへ交換するが、ここで#16 ARTA MUGEN NSX-GTなど3台の先行を許して4番手に後退することに。

 

 トップに出た#16 ARTA MUGEN NSX-GTには14号車GRスープラが迫り、24周目のTGRコーナーでトップが入れ替わる。ここからリード拡大にかかった14号車GRスープラだが、35周目にGT300で車両火災が発生したため、FCYからSCに。レースは41周目に再開となったが、39号車GRスープラが#16 ARTA MUGEN NSX-GTをかわして2番手に浮上、首位との間合いを詰めていくが、トップの14号車GRスープラが46周目にピットインしたのを受けて、39号車GRスープラも47周目にピットインするが、ここで作業に手間取った39号車GRスープラは逆転はならず14号車GRスープラが後半に入っても首位を守る。

 

 ところが、66周目にまたもGT300の車両火災が発生しSCが入るが、火災の状況がひどく赤旗中断に。さらに間の悪いことにこの中断の間に激しい雨が降り始め、天候の急変を受けて急遽レインタイヤへの交換が認められてのレース再開となった。

 レースは72周目から再開となったが、このコンディションで速さを取り戻したのが#3 Niterra MOTUL Z。再開直後に37号車GRスープラを、そして74周目には39号車GRスープラ、14号車GRスープラを相次いで捕らえて再び首位に返り咲きを果たす。

 

 トップに立った#3 Niterra MOTUL Zは後続の攻防を後目に快走。大量リードを築いてそのままトップチェッカーを受け、今季初優勝を飾ることに。#16 ARTA MUGEN NSX-GTと#100 STANLEY NSX-GTが2~3番手でチェッカーを受けたものの、レース後この2台にピットでの作業違反があったことが判明し、それぞれ40秒のタイム加算というペナルティーが課せられ、2位には#64 Modulo NSX-GTが繰り上がって今季初表彰台に。降格した#16 ARTA MUGEN NSX-GTが3位という結果となった。

 なお、4~6位には36号車GRスープラ、38号車GRスープラ、そして#100 STANLEY NSX-GTが続いている。

 

 

 一方、GT300でもコンディションとアクシデントに大きく翻弄されるレース展開となったが、セーフティーカーによる先導から本格的なレースがスタートすると、すぐさま11号車GT-Rと61号車BRZがポールポジションの4号車メルセデスGT3をパス。しかし、路面が乾いていくと同時に4号車メルセデスGT3が速さを見せて、再びトップを奪い返す。

 この4号車メルセデスGT3には88号車ランボルギーニGT3が2番手で続いていくが、GT300でも早々にタイヤ交換するマシンが続出。それでも各車がドライタイヤに履き替えると4号車メルセデスGT3が再び首位となり、88号車ランボルギーニGT3、11号車GT-R、そして7号車BMW M4 GT3がこれを追う展開に。

 

 しかし、GT300の28周目に244号車GRスープラが車両火災に見舞われて、再びセーフティーカーランに。リスタート後、7号車BMW M4 GT3に代わって10号車GT-Rや56号車GT-RといったGT-R勢が躍進するが、レース半ばに2回目のピット作業をこなすと、4号車メルセデスGT3、10号車GT-R、11号車GT-Rによる首位争いが展開されるが、ここで25号車GRスープラが244号車GRスープラ同様に車両火災に見舞われてしまい、レースは赤旗に。

 

 前述したようにここでレインタイヤへの交換が許可されたが、レース再開直後に2台のGT-Rが4号車メルセデスGT3を捕らえて1-2体制を築くものの、レース序盤同様に路面が乾き始めると再び4号車メルセデスGT3がスピードアップ。4号車メルセデスGT3がトップを奪うと、これに88号車ランボルギーニGT3、7号車BMW M4 GT3が迫ることに。

 ところが、どんどん路面が乾いていったことで上位陣は再びドライタイヤに。ここで4号車メルセデスGT3はドライタイヤでのコース復帰の際に痛恨のコースオフを喫して優勝戦線から脱落してしまう。61号車BRZなど、レインのまま粘る車両もあったが、結局ドライタイヤ勢がこれを抜き去り、終盤首位に立った11号車GT-Rが優勝。ファイナルラップでポジションを上げた7号車BMW M4 GT3が2位となり、3位には初表彰台となる6号車アウディR8 LMSが入った。また4~6位には56号車GT-R、最後尾から追い上げた31号車レクサスLC、そして61号車BRZが入っている。

 

 次大会となる「SUZUKA GT 450km RACE」は、3週間のインターバルをおき、8月26~27日、再び鈴鹿サーキットで開催される予定となっている。

RACE RESULT

Po. Driver/Team/Machine Time Support
1

#3 千代勝正 / 高星明誠

NDDP RACING / Niterra MOTUL Z

3h45’06.900  
2

#64 伊沢拓也 / 太田格之進

Modulo Nakajima Racing / Modulo NSX-GT

+1’04.435  
3

#16 福住仁嶺 / 大津弘樹

ARTA / ARTA MUGEN NSX-GT

+1’25.244  
4

#36 坪井翔 / 宮田莉朋

TGR TEAM au TOM’S / au TOM’S GR Supra

+1’38.946  
5

#38 立川祐路 / 石浦宏明

TGR TEAM ZENT CERUMO / ZENT CERUMO GR Supra

+1’41.152  
6

#100 山本尚貴 / 牧野任祐

TEAM KUNIMITSU / STANLEY NSX-GT

+1’44.280  
7

#17 塚越広大 / 松下信治

Astemo REAL RACING / Astemo NSX-GT

+1Lap  
8

#37 笹原右京 / G.アレジ

TGR TEAM Deloitte TOM’S / Deloitte TOM’S GR Supra

+1Lap  
9

#39 関口雄飛 / 中山雄一

TGR TEAM SARD / DENSO KOBELCO SARD GR Supra

+1Lap  
10

#24 佐々木大樹 / 平手晃平

KONDO RACING / リアライズコーポレーション ADVAN Z

+1Lap  
11

#14 大嶋和也 / 山下健太

TGR TEAM ENEOS ROOKIE / ENEOS X PRIME GR Supra

+1Lap  
12

#19 国本雄資 / 阪口晴南

TGR TEAM WedsSport BANDOH / WedsSport ADVAN GR Supra

+1Lap  
13

#23 松田次生 / R.クインタレッリ

NISMO / MOTUL AUTECH Z

+1Lap  
14

#8 野尻智紀 / 大湯都史樹 / 木村偉織

ARTA / ARTA MUGEN NSX-GT

+1Lap  
15

#1 平峰一貴 / B.バゲット

TEAM IMPUL / MARELLI IMPUL Z

+1Lap  

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