SUPER GTRACE REPORTS
第6戦SUGO GT
2023年 9月16日(土) ~ 17日(日)
スポーツランドSUGO(300kmレース)
GT500では#8 ARTA MUGEN NSX-GT、GT300では52号車GRスープラが、それぞれ繰り上がりでの今季初優勝を飾った。

PHOTO GALLERY
RACE REPORT
宮城県のスポーツランドSUGOにて、9月16~17日に「SUGO GT 300km RACE」が開催され、トップチェッカー車両が両クラスともに失格となる予想外の結末となる中、GT500では#8 ARTA MUGEN NSX-GT、GT300では52号車GRスープラが、それぞれ繰り上がりでの今季初優勝を飾った。
未明や日中に通り雨が降るなど、やや不安定な天候となった週末の菅生。土曜の午後2時40分、まずはGT300のQ1A組から公式予選が行われたが、このセッション直前にも降雨があり、WET宣言が出される中でのアタックとなった。
急速に雨が止み、コンディションが良化していく中での攻防となったが、ここではレインタイヤでのアタックとなり65号車メルセデスGT3、52号車GRスープラ、そして87号車ランボルギーニGT3がトップ3に。しかし、トップタイムも1分25秒台とタイム的には路面状況の影響で伸び悩む。
続いて午後2時58分にスタートしたB組では、路面状況も好転し早々にドライタイヤに切り替える車両も多くなり、結果大きくタイムが向上し、1分18秒449で18号車NSX GT3がトップタイム。これに61号車BRZ、20号車GR86が続いた。
GT300のQ1に続いて行われたGT500のQ1は、午後3時13分にスタート。引き続きWET宣言下ではあったが、ここでは全車ドライタイヤでのコースインとなった。
序盤、#8 ARTA MUGEN NSX-GTが1分10秒498で首位に立ったが、終盤に38号車GRスープラ、39号車GRスープラが相次いでタイムを更新。しかし、1分10秒164でそれを上回った#23 MOTUL AUTECH Zがトップタイムを奪うこととなり、2~3番手には39号車GRスープラと終盤にタイムを上げた#17 Astemo NSX-GTが食い込んだ。
午後3時33分から始まったGT300のQ2は、完全なドライでの争いとなるが、まずは61号車BRZが1分17秒855でトップに立つも、96号車RC F GT3が1分17秒098を叩き出して逆転しポールポジションを獲得。終了間際に20号車GR86が2番手に食い込み、61号車BRZが3番手という結果に。4~6番手には52号車GRスープラ、56号車GT-R、18号車NSX GT3が入った。
そして最後のGT500のQ2は、WET宣言も解除される中レコードラッシュの攻防となった結果、#8 ARTA MUGEN NSX-GTが1分9秒413と僅差でそれまで首位に立っていた#23 MOTUL AUTECH Zを逆転し、今季初ポールを獲得。惜しくも敗れた#23 MOTUL AUTECH Zが2番手、そして#17 Astemo NSX-GTが3番手となり、以下、39号車GRスープラ、38号車GRスープラ、37号車GRスープラとGRスープラ勢が続いた。
一夜明けて日曜の菅生は、朝方こそ霧雨が降ったものの大きな天候の崩れはなく、薄曇りの空の下、午後1時30分に宮城県警の白バイとパトカー先導によるパレードラップがスタート。その後1周のフォーメーションラップが行われ、午後1時35分に84周の決勝レースがスタートとなった。
今季主流となっていた450kmではなく、300kmでの戦いとなる今大会、スタート直後はポールポジションの#8 ARTA MUGEN NSX-GTがリードを築いていく展開に。これを追って#23 MOTUL AUTECH Z、#17 Astemo NSX-GTが2~3番手につけるが、このトップ3の陣容はピット作業が始まる頃まで変わらず推移し、まず#8 ARTA MUGEN NSX-GTが32周目にピットインを行う。
しかし、その翌周33周目にピットインした#17 Astemo NSX-GTはピット作業でタイムを短縮し、#8 ARTA MUGEN NSX-GTの前でコースに復帰。先にタイヤの温まっていた#8 ARTA MUGEN NSX-GTに間合いを詰められるも、#17 Astemo NSX-GTは実質的なトップを死守することに成功し、#23 MOTUL AUTECH Zは同3番手に続く格好となった。
ところが、比較的落ち着いた状況となっていたこのレース展開が37周目に驚きのアクシデントに見舞われる。#100 STANLEY NSX-GTがピットに向かっていたGT300車両と接触し、スピン状態のままコースアウト側のガードレールにクラッシュ、車両の前後を失うほどの大きなアクシデントに見舞われたのだ。
ドライバーの山本尚貴はチームからの呼びかけに無線で応答するなど、生命に別状こそなかったが、ドライバー救出、車両や散らばったパーツの回収、ガードレールの改修などのために40周目には赤旗が提示される。
午後3時20分、セーフティーカー先導でレースは再開。44周目にセーフティーカーがピットインし、45周目から再び戦いの火蓋が切って落とされたが、52周目の1コーナーで#8 ARTA MUGEN NSX-GTが#17 Astemo NSX-GTをオーバーテイク。この段階までピットインを送らせていた39号車GRスープラがピットに入ったことで、#8 ARTA MUGEN NSX-GTは再びモニターの首位に躍り出る。
トップに立った#8 ARTA MUGEN NSX-GTは一時#17 Astemo NSX-GTとのギャップを拡大するが、60周を過ぎたあたりから、逆に#17 Astemo NSX-GTが#8 ARTA MUGEN NSX-GTに接近。接近戦が展開された末、76周目に#17 Astemo NSX-GTが#8 ARTA MUGEN NSX-GTを再逆転、そのままトップチェッカーを受けた。
ところが、暫定表彰終了後、再車検で#17 Astemo NSX-GTのスキッドブロックが削れ、最低地上高違反となっていたことが判明し#17 Astemo NSX-GTは失格に。このため、2番手でフィニッシュしていた#8 ARTA MUGEN NSX-GTが繰り上がりで今季初優勝。2位には#23 MOTUL AUTECH Z、3位には39号車GRスープラが入り、結果的に3メーカーが表彰台を分け合う形となった。なお、4~6位には#1 MARELLI IMPUL Z、#24 リアライズコーポレーション ADVAN Z、14号車GRスープラが続くこととなった。
一方、GT300でも波乱のレースとなったが、スタートからレースをリードしたのはポールシッターの96号車RC F GT3。しかし、これに20号車GR86が喰らいつき、さらには61号車BRZ、52号車GRスープラと予選上位の車両がこれに続いていくが、序盤ハイペースで追い上げを計った6号車アウディR8 LMSもこの上位争いに加わることに。
この6号車アウディR8 LMSが4番手に浮上した7周目、トップ96号車RC F GT3を捕らえた20号車GR86が首位に躍り出ることとなったが、その背後では56号車GT-Rや18号車NSX GT3といった、トップハンデの100kgを積む車両が速さを見せ、ペースの鈍った61号車BRZに変わって上位争いに加わっていく。
こうした中、52号車GRスープラが23周目と早めのピットイン。リヤタイヤのみ交換という作戦で52号車GRスープラはコースに復帰するが、この辺りから徐々にピットに飛び込む車両が増え始める中で、前述したように37周目にピットインしようとした56号車GT-RとGT500車両が接触しGT500車両が大破するアクシデントが発生したため、レースは赤旗中断になってしまう。
再開後、トップに立ったのは早めのピットを終えていた52号車GRスープラ。56号車GT-Rは2番手につけるも、GT500車両との接触と赤旗時に車両に触ってしまったことで2回のドライブスルーペナルティーを受けて後退し、18号車NSX GT3が2番手に。
しかし、トップの52号車GRスープラはそのままレースをリード、逃げ切って優勝かと思われたファイナルラップの最終コーナー立ち上がりで、突如52号車GRスープラはガス欠症状でスローダウンしてしまい、その傍を駆け抜けた18号車NSX GT3がドラマティックな逆転劇でトップチェッカーを受けることに。
ところが、レース後の再車検で18号車NSX GT3は最低地上高の違反とされ失格に。これで優勝を逃したかと思われていた52号車GRスープラが繰り上がって優勝。20号車GR86、6号車アウディR8 LMSが2~3位表彰台となり、61号車BRZ、4号車メルセデスGT3、65号車メルセデスGT3が4~6位となった。
次なる第7戦「AUTOPOLIS GT 450km RACE」は、大分県の山岳コースとして知られるオートポリスを舞台に、10月14~15日開催予定となっている。
RACE RESULT
Po. | Driver/Team/Machine | Time | Support |
---|---|---|---|
1 |
#8 野尻智紀 / 大湯都史樹 ARTA / ARTA MUGEN NSX-GT |
2h45’00.838 | |
2 |
#23 松田次生 / R.クインタレッリ NISMO / MOTUL AUTECH Z |
+0.529 | |
3 |
#39 関口雄飛 / 中山雄一 TGR TEAM SARD / DENSO KOBELCO SARD GR Supra |
+51.658 | |
4 |
#1 平峰一貴 / B.バゲット TEAM IMPUL / MARELLI IMPUL Z |
+55.693 | |
5 |
#24 佐々木大樹 / 平手晃平 KONDO RACING / リアライズコーポレーション ADVAN Z |
+1’02.479 | |
6 |
#14 大嶋和也 / 山下健太 TGR TEAM ENEOS ROOKIE / ENEOS X PRIME GR Supra |
+1Lap | |
7 |
#36 坪井翔 / 宮田莉朋 TGR TEAM au TOM’S / au TOM’S GR Supra |
+1Lap | |
8 |
#19 国本雄資 / 阪口晴南 TGR TEAM WedsSport BANDOH / WedsSport ADVAN GR Supra |
+1Lap | |
9 |
#3 千代勝正 / 高星明誠 NDDP RACING / Niterra MOTUL Z |
+1Lap | |
10 |
#37 笹原右京 / G.アレジ TGR TEAM Deloitte TOM’S / Deloitte TOM’S GR Supra |
+1Lap | |
11 |
#64 伊沢拓也 / 太田格之進 Modulo Nakajima Racing / Modulo NSX-GT |
+1Lap | |
12 |
#16 福住仁嶺 / 大津弘樹 ARTA / ARTA MUGEN NSX-GT |
+2Laps | |
13 |
#100 山本尚貴 / 牧野任祐 TEAM KUNIMITSU / STANLEY NSX-GT |
+48Laps | |
14 |
#38 立川祐路 / 石浦宏明 TGR TEAM ZENT CERUMO / ZENT CERUMO GR Supra |
+49Laps | |
15 |
#17 塚越広大 / 松下信治 Astemo REAL RACING / Astemo NSX-GT |
失格 |
横にスクロールします
はNGKスパークプラグサポートチームです。