SUPER GTRACE REPORTS

第7戦AUTOPOLIS GT

2023年 10月14日(土) ~ 15日(日)

オートポリス

終盤の逆転劇で36号車GRスープラがGT500で優勝、レースをリードした#16 ARTA MUGEN NSX-GTは2位となった。

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RACE REPORT

 10月14~15日、大分県のオートポリスにて開催されたシリーズ第7戦「AUTOPOLIS GT 450km RACE」は、終盤の逆転劇で36号車GRスープラがGT500で優勝、レースをリードした#16 ARTA MUGEN NSX-GTは2位となった。また、GT300では52号車GRスープラが連勝しタイトルに王手をかけた。

 

 オートポリスでは初となる450kmの長丁場、さらにはここまで各車が成績に応じて搭載してきたサクセスウエイトが半減されての戦いとなったこの大会。朝晩はかなりの冷え込みとなる中、土曜は早朝こそ降雨があったものの、その後天候は回復し午後3時からの公式予選は安定したドライコンディションでのアタックが展開された。

 まず最初に行われたGT300のA組予選では、ただ1台1分43秒を切った2号車GR86が1分42秒600でトップタイム。これに52号車GRスープラ、65号車メルセデスGT3が続き、BS勢がトップ3を占める。

 続いて午後3時18分からのGT300のB組予選では、61号車BRZがこちらも1分43秒を切り、1分42秒694でトップに。2番手に31号車レクサスLC、3番手に18号車NSX GT3が続くこととなった。

 GT500のQ1は午後3時33分にスタートを迎え、37号車GRスープラが1分31秒895でトップタイムをマークも、14号車GRスープラ、39号車GRスープラが僅差で続き、ここではGRスープラ勢が速さを見せた。

 

 そして午後3時53分、GT300のQ2が開始となったが、ここではQ1のA組を制した2号車GR86が、1分42秒016のレコードタイムでポールポジションを獲得。2番手には61号車BRZ、3番手には31号車レクサスLCと、トップ3は42秒台をマーク、僅差の攻防となったが、ポイントリーダーの52号車GRスープラも4番手とまずまずのポジションにつけた。

 公式予選のトリを飾るGT500のQ2は、日が西に傾いた午後4時11分にスタート。セッション後半、1分31秒131のレコードタイムを叩き出した#16 ARTA MUGEN NSX-GTがトップに立ち、これに39号車GRスープラ、19号車GRスープラが迫ったが、逆転はならず。そのまま#16 ARTA MUGEN NSX-GTが第5戦鈴鹿以来の今季2度目のポールポジションを奪取。19号車GRスープラ、39号車GRスープラ、14号車GRスープラ、37号車GRスープラと2~5番手を占めたGRスープラ勢を突き放した#16 ARTA MUGEN NSX-GTが翌日の決勝に向け好位置を手にすることとなった。

 

 10月15日、日曜のオートポリスは秋晴れながらも風が冷たく、日中でもあまり気温が上昇せず、気温が20℃を下回る中、F15戦闘機2機によるデモフライト、さらには大分県警のパトロールカーによるパレードラップ、そしてフォーメーションラップののち、午後1時36分に決勝の火蓋が切って落とされた第7戦決勝。

 まず、GT500ではポールシッターの#16 ARTA MUGEN NSX-GTが早々に飛び出し、ペースの上がらない予選2番手の19号車GRスープラをかわした39号車GRスープラが2番手に続き、#17 Astemo NSX-GT、14号車GRスープラ、37号車GRスープラにも先行を許した19号車GRスープラは、序盤から徐々にポジションを落としてしまう。

 こうした中、上位陣で元気な走りを見せた38号車GRスープラが9周目に4番手に、同じく37号車GRスープラも5番手に浮上するが、38号車GRスープラは14周目には#17 Astemo NSX-GTと39号車GRスープラを捕らえ、一気に2番手につける。

 19周目、トップの#16 ARTA MUGEN NSX-GTを筆頭に、38号車GRスープラ、#17 Astemo NSX-GTが1回目のピットを終えたころ、首位は37号車GRスープラとなり、2番手には#3 Niterra MOTUL Zが浮上する。3番手の14号車GRスープラの背後には、ピットを遅らせた36号車GRスープラが続く。36号車GRスープラは34周目にようやく最初のピットを行い、いったんポジションを下げる。

 しかし、11番手あたりまで後退した36号車GRスープラは、じりじりとポジションを挽回し、50周目あたりから上位陣が2回目のピットに入ったことでさらに順位を上げ、暫定的に首位に立ったのち65周目に2回目のピット作業をこなし5番手に後退する。

 

 ここで再び首位に返り咲いた#16 ARTA MUGEN NSX-GTだったが、2番手に浮上した#3 Niterra MOTUL Zが徐々に間合いを詰めるものの、その背後には36号車GRスープラが迫ってきた。#16 ARTA MUGEN NSX-GTの数秒後方で展開された2番手争いは接戦となるが、77周目の第1ヘアピンで36号車GRスープラが#3 Niterra MOTUL Zをかわし2番手に。

 そこからさらに前を追った36号車GRスープラは、勢いを維持したまま#16 ARTA MUGEN NSX-GTに襲いかかり、残り10周となった87周目の第2ヘアピンでついに逆転に成功すると、そのまま97周を逃げ切って大逆転での今季2勝目を奪う結果となった。

 2位には終盤の#3 Niterra MOTUL Zの猛攻を凌いだ#16 ARTA MUGEN NSX-GTが入り、#3 Niterra MOTUL Zは3位。4~6位には38号車GRスープラ、#1 MARELLI IMPUL Z、#17 Astemo NSX-GTが入ったが、この結果36号車GRスープラが#3 Niterra MOTUL Zに7ポイント差をつけてランキング首位に躍り出ることとなり、トップと16ポイント差の#16 ARTA MUGEN NSX-GTを含めた3台がタイトルの可能性を残し最終大会に向かう形となった。

 

 同じくGT300では、ポールシッターの2号車GR86が序盤にリードを築き、背後では予選2~4番手からスタートした61号車BRZ、31号車レクサスLC、52号車GRスープラの3台が激しい攻防を展開する。

 しかし5周目、31号車レクサスLCが早くも1回目のピットインを行い後退すると、61号車BRZをかわした52号車GRスープラが徐々にトップの2号車GR86に接近。タイトル争いのライバルである18号車NSX GT3が、他車からの追突によりコースアウトし大きく後退する中、18周目についに52号車GRスープラが2号車GR86を捕まえ、トップが入れ替わる。

 31周目にピットインした52号車GRスープラはタイヤ無交換作戦で給油のみでピットアウト。こうした戦略が奏功し、52号車GRスープラはレース後半になっても首位をひた走るが、各陣営が思い思いの戦略を駆使し、56号車GT-R、31号車レクサスLC、2号車GR86、61号車BRZなどが52号車GRスープラを追う。

 

 各車が2回のピット作業を終えた段階で、再び首位に返り咲いた52号車GRスープラだが、2号車GR86が追走。レース終盤にはテール・トゥ・ノーズの首位争いが終始続けられたが、結局52号車GRスープラが0.6秒差で逃げ切って菅生大会からの連勝をマーク。2号車GR86は2位、3位には31号車レクサスLCが続き、61号車BRZ、56号車GT-R、4号車メルセデスGT3が4~6位に入ったが、これで52号車GRスープラのリードは20ポイントに拡大することに。

 これでGT300では52号車GRスープラと2号車GR86のみがタイトルの可能性を残す格好となったが、前述したように20ポイントと差は大きく、ランキング2位につける2号車GR86が第8戦でポールポジションを逃した段階で、52号車GRスープラのタイトルが決まるという状況となった。

 

 いよいよ今季シリーズの最終戦、タイトル決定戦となる第8戦「MOTEGI GT 300km RACE GRAND FINAL」は、11月4~5日に栃木県のモビリティリゾートもてぎにて開催される予定となっている。

RACE RESULT

Po. Driver/Team/Machine Time Support
1

#36 坪井翔 / 宮田莉朋

TGR TEAM au TOM’S / au TOM’S GR Supra

2h50’39.062  
2

#16 福住仁嶺 / 大津弘樹

ARTA / ARTA MUGEN NSX-GT

+5.474  
3

#3 千代勝正 / 高星明誠

NDDP RACING / Niterra MOTUL Z

+5.854  
4

#38 立川祐路 / 石浦宏明

TGR TEAM ZENT CERUMO / ZENT CERUMO GR Supra

+17.272  
5

#1 平峰一貴 / B.バゲット

TEAM IMPUL / MARELLI IMPUL Z

+18.349  
6

#17 塚越広大 / 松下信治

Astemo REAL RACING / Astemo NSX-GT

+30.958  
7

#37 笹原右京 / G.アレジ

TGR TEAM Deloitte TOM’S / Deloitte TOM’S GR Supra

+31.201  
8

#14 大嶋和也 / 山下健太

TGR TEAM ENEOS ROOKIE / ENEOS X PRIME GR Supra

+39.206  
9

#100 牧野任祐 / 木村偉織

TEAM KUNIMITSU / STANLEY NSX-GT

+84.414  
10

#23 松田次生 / R.クインタレッリ

NISMO / MOTUL AUTECH Z

+85.131  
11

#64 伊沢拓也 / 太田格之進

Modulo Nakajima Racing / Modulo NSX-GT

+99.210  
12

#24 佐々木大樹 / 平手晃平

KONDO RACING / リアライズコーポレーション ADVAN Z

+2Laps  
13

#19 国本雄資 / 阪口晴南

TGR TEAM WedsSport BANDOH / WedsSport ADVAN GR Supra

+2Laps  
14

#39 関口雄飛 / 中山雄一

TGR TEAM SARD / DENSO KOBELCO SARD GR Supra

+29Laps  
 

#8 野尻智紀 / 大湯都史樹

ARTA / ARTA MUGEN NSX-GT

+56Laps  

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